症例
目次
1.はじめに
2.ビフォーアフター(顔貌・歯列・セファロ)
3.なぜ歯並びだけでなく“顔つき”まで変わるの?
4.マイオブレース治療とは?
5.成長による変化と気道の改善
6.今後のフォロー
7.まとめ
8.この記事を書いた人
① はじめに
「噛んだ時に下の歯が見えない」
「下の前歯が生えてきてガタガタしている」
とのことで来院されたお子さん。
診察では、歯列の乱れだけでなく、
- 上顎の成長不足
- 口呼吸傾向
- 舌の低位
- 口唇閉鎖不全
など、“お口の機能”にも課題が認められました。
また、セファロ:頭部X線規格写真(横顔のレントゲン写真)では、
気道がやや狭く、下顎が後方に位置している傾向もみられました。
そこで今回は、
単に歯を並べるのではなく、
「顎の成長方向を整え、呼吸しやすい環境を作ること」
を目的に、マイオブレース治療を行いました。
② ビフォーアフター
写真で見る変化
- 初診時と治療後の口腔内写真
- 側貌(横顔)写真
- セファロ(頭部X線規格写真)
治療後の変化
治療後は、
- 歯列のアーチが広がり
- 前歯のガタつきが改善
- 口元の突出感が軽減
しました。
さらに、横顔では
- 下顎が自然に前方成長
- Eラインの改善
- 顔つきが立体的に変化
し、より自然でバランスの良い顔貌へ成長しました。
セファロ上でも、
気道スペースの拡大が確認され、
呼吸環境の改善が認められました。
③ なぜ歯並びだけでなく“顔つき”まで変わるの?
歯並びは、単に「歯が大きい・小さい」だけで決まるわけではありません。
実際には、
- 舌の位置
- 呼吸
- 唇の使い方
- 姿勢
- 飲み込み方
など、“お口の機能”が顎の成長方向に大きく影響しています。
特に口呼吸になると、
- 舌が下に落ちる
- 上顎への成長刺激が減る
- 下顎が後方へ下がりやすくなる
という悪循環が起こります。
その結果、
- 歯並びが狭くなる
- 口元が前に出る
- 気道が狭くなる
- 横顔のバランスが崩れる
ことがあります。
つまり、
「歯並びの問題」は“成長のサイン”でもあるのです。
④ マイオブレース治療とは?
マイオブレースは、
「歯を無理に動かす矯正」ではなく、
“正しい成長を育てる治療”です。
治療の3つの柱
① マウスピース
舌の位置・鼻呼吸・口唇閉鎖をサポート
② アクティビティ
舌・唇・呼吸・姿勢のトレーニング
③ 必要に応じた成長誘導
顎の成長をサポートし、歯が並ぶスペースを育てる
当院では、
「歯並びだけ」ではなく、
“呼吸しやすい顔立ち”へ成長すること
を大切にしています。
⑤ 成長による変化と気道の改善
今回の症例では、
- 上顎の成長
- 下顎の前方成長
- 舌位改善
- 鼻呼吸の安定
が得られました。
その結果、
セファロ上で
- 気道スペースの拡大
- 下顎位の改善
が確認されました。
顔つきの変化
成長方向が整うことで、
- 口元の突出感が減少
- 横顔のEライン改善
- 顎のラインが自然に
変化しました。
単に歯並びが整っただけではなく、
“顔が前へ正しく育った”
ことが大きなポイントです。
⑥ 今後のフォロー
当院では、
- 呼吸
- 舌の位置
- 姿勢
- 咬合
- 永久歯の萌出
を確認しながら、12歳臼歯の萌出まで定期フォローを継続しています。
成長期はまだ続くため、
今後も「正しい成長方向」を維持できるようサポートしていきます。
⑦ まとめ
マイオブレース治療は、
単に歯を並べるだけの治療ではありません。
- 呼吸
- 舌
- 姿勢
- 顎の成長
- 気道
- 顔貌
まで含めて整えていく治療です。
特に成長期のお子さんでは、
「どの方向へ成長するか」
がとても重要です。
今回の症例では、
- 気道の広がり
- 横顔の改善
- 顔つきの変化
まで確認することができました。
「歯並び」だけではなく、
“将来の健康につながる成長”
を大切にした治療を行っています。
この記事を書いた人
歯科医師 福武里沙(ふくたけ りさ)
こいし・こども矯正歯科 小児歯科ランド 副院長
幼児期〜学童期の「顎の成長・呼吸・姿勢」を重視した、マイオブレース治療・機能矯正を専門に診療。
“マイナス2歳からのお口育て”をテーマに、
子どもたちが将来まで健康に成長できるようサポートしています。




