症例
目次
1 はじめに
2 ビフォーアフター
3 なぜ乳歯の時点でスペースが足りなくなるの?
4 マイオブレース治療とは
5 治療の流れと歯列の変化
6 今後のフォロー
7 まとめ
8 この記事を書いた人
① はじめに
乳歯列期の段階で来院されたお子さんです。
診察すると、
・乳歯の段階ですでに隙間がほとんどない
・歯列の幅がやや狭い
・特に犬歯の萌出スペース不足が予測される状態
でした。
本来、乳歯列期には
将来の永久歯が並ぶための“すき間”が必要ですが、
この症例ではそのスペースが不足していました。
このまま成長すると、
👉 犬歯が並ばず外側に出てしまう
👉 いわゆる「八重歯」になる可能性が高い状態
でした。
そこで、
顎の成長を促しながらスペースを確保する目的で
マイオブレース治療を開始しました。
② ビフォーアフター ✨
📸 写真で見る変化(歯列)
初診時
・歯と歯の間に隙間がほとんどない
・歯列アーチが狭い
・犬歯の萌出スペース不足が予測される状態
治療後
・歯列アーチが広がる
・永久歯が並ぶスペースが確保
・犬歯が正しい位置に萌出
💬 コメント
乳歯列期から介入することで、
・顎の成長をしっかり引き出し
・歯が並ぶスペースを確保し
・結果として永久歯が自然に整列
という、理想的な成長経過をたどりました。
③ なぜ乳歯の時点でスペースが足りなくなるの?
「乳歯がきれいに並んでいる=良い歯並び」と思われがちですが、
実は、
👉 乳歯列期に隙間がない場合は要注意です。
永久歯は乳歯より大きいため、
隙間がない状態だと
👉 必ずスペース不足が起こります。
その原因の多くは、
・舌の位置が低い
・口呼吸
・口唇閉鎖不全
・筋肉バランスの乱れ
など、
👉 顎の成長を妨げるお口の機能の問題
です。
つまり歯並びの問題は、
歯ではなく“成長環境”から始まっています。
④ マイオブレース治療とは?
マイオブレースは、
歯を動かす治療ではなく
成長を正しく導く治療です。
🔧 治療の3つの柱
① マウスピース
舌の正しい位置・鼻呼吸をサポート
② アクティビティ
舌・唇・頬・呼吸のトレーニング
③ 成長誘導
顎が横・前方へ成長する環境を整える
これにより、
・歯並び
・顎の成長
・呼吸
・姿勢
をトータルに整えていきます。
⑤ 治療の流れと歯列の変化
今回の症例では、
① マイオブレース開始
(舌の位置・呼吸の改善)
② 側切歯の萌出に伴い
👉 乳犬歯の早期脱落
③ スペース保持のため
👉 補助装置(BWS)を装着
④ 顎の成長を促しながら経過観察
📈 経過の変化
・歯列アーチが拡大
・永久歯の萌出スペースが確保
・犬歯が正しい位置に萌出
・永久歯列が自然に整列
👉 抜歯やワイヤー矯正に頼らず、
自然な歯列へと導くことができました。
⑥ 今後のフォロー
現在は、
・永久歯列の安定
・舌の位置
・呼吸
・姿勢
を確認しながら、
3か月ごとのフォローを継続しています。
成長期は「並んだ後」もとても重要です。
⑦ まとめ
この症例のポイントは、
👉 乳歯列期のサインを見逃さなかったこと
です。
・隙間がない
・歯が詰まっている
・顎が小さい
これらはすべて、
👉 将来の歯並びトラブルのサイン
です。
マイオブレース治療では、
・顎の成長を引き出し
・歯が並ぶ環境を整えることで
👉 「自然に並ぶ歯列」を育てることができます。
歯並びは「結果」であり、
原因は「成長環境」にあります。
早期に気づき、整えてあげることで、
お子さんの将来は大きく変わります🌿
この記事を書いた人
歯科医師 福武里沙(ふくたけ りさ)
こいし・こども矯正歯科 小児歯科ランド 副院長
幼児期〜学童期の
・顎の成長
・呼吸
・姿勢
を重視した機能矯正(マイオブレース治療)を専門に診療。
“マイナス2歳からのお口育て”をテーマに、
子どもたちの将来の健康をサポートしています。


